九州遺産の旅

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平尾台 [福岡県北九州市]

三億五千万年の時が創った 地球の神秘を物語る自然のオブジェ

「日本三大カルスト高原」というのをご存知だろうか?山口県の「秋吉台」、高知県愛媛県に広がる「四国カルスト」、そして北九州の「平尾台」である。今回紹介する平尾台は、南北約6km、東西約2kmと、広さでは秋吉台に及ばないものの、長さでは日本一のカルスト台地(注1)なのだ。

平尾台 メイン平尾台は、約3億5千万年前、赤道付近の海底のサンゴ礁などが堆積し、大陸プレートの移動で北九州付近に浮き上がって形成されたという。ピナクル(注2)と呼ばれる無数の石灰柱、ドリーネ・ウバーレ(注3)と呼ばれる窪地、石灰洞・鍾乳洞などが200以上も存在する。平尾台に足を踏み入れたら、まずは、台地の中央付近にある「茶ヶ床園地」や「見晴らし台」からの景観を楽しんでみたい。見渡す限りの草原の台地に、丸みを帯びたピナクルが群立し、白く輝く山肌。あたかも羊が草原で草を食んでいるように見えることから「羊群原(ようぐんばる)」と呼ばれている、カルスト台地を代表する風景のひとつである。その先の中峠付近では、石灰岩にマグマが嵌入してできた「鬼の兵古干し」「鬼の唐手岩」などの奇岩が見え、さらに足を伸ばせば、環境庁が絶滅危惧種に指定する湿原性植物のサギソウ、ノギソウ、ノハナショウブなどが自生する「広谷湿原」がある。

こう書いていくと、平尾台は大自然の宝庫のように思えるのだが、実は人の手で厚く保護されている“里山”である。毎年2~3月に行われている“野焼き”は、貴重な草原の植生を維持するために行われ、多数のボランティアが参加しての一大行事となっている。

4、千仏鍾乳洞平尾台に隣接して「千仏鍾乳洞」や「牡鹿洞」などの観光洞がある。洞穴の中の温度は16度くらいとほぼ一定しており、オールシーズン楽しめる。他にも、新たに発見された「青龍窟」のような非観光洞に入るケイビング(洞窟探検)という楽しみ方もあり、興味のある方は、自然観察センター問い合わせて、チャレンジしてみるのもいいだろう。

 

取材・文/前田信次

 

 

DATA

平尾台

(住)福岡県北九州市小倉南区新道寺

(問) 平尾台自然観察センター TEL093-452-3739

アクセス

車)九州自動車道小倉南ICから約20分

JR)小倉駅からバスで約60分

協力・平尾台自然観察センター

(注1)カルスト台地
石灰岩からなる土地が雨水によって浸食されてできた台地。浸食によって独特の地形が発達している。因みにカルストとは、スロヴェニアの一地方の名前。

(注2)ピナクル
カレン・カレンフェルト・残存石灰岩ともいう。本来は石灰柱のことを指すが、広い意味で使われることが多い。地表に現れた石灰岩は、侵食によって様々な形をしている。

(注3)ドリーネ・ウバーレ
ドリーネとは石灰岩の地面が溶食によって陥没してできた漏斗状になった窪地のこと。ポノールと呼ばれる吸い込み口から地下川に落ちることがあり、近づくと危険だ。ウバーレとはドリーネが拡大し、二つ以上連合したものをいう。

 

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